"ここでは歩くことが、祈りそのものである。歩き続けることは、祈り続けることである。旅の原型が巡礼にあるとすれば、ボダナートのストゥーパのまわりを歩行するという身ぶりは、きわめて原初的な旅の形態をなぞっていることになるだろう。
エベレストへの旅のはじまりに、ボダナートを選んでよかった。
苦しくなったら、この無心の歩みを思い出せばいい。祈りの先にあるのは、登山の成功などではなく、その瞬間を生きることなのだ。"
『For Everest ちょっと世界のてっぺんまで』石川直樹